JISとISOについて

JISとは

JISとは日本工業規格(にほんこうぎょうきかく、Japanese Industrial Standards)のことです。
日本工業規格は、工業標準化法(昭和24年制定)に基づき、日本工業標準調査会(JISC)の答申を受けて、主務大臣が制定する工業標準で日本の国家標準の一つです。
JISは製造業者(メーカー)の立場から作られた、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研 旧:通商産業省工業技術院)により認可された工場で生産する製品の目標規格になります。
JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されています。

 

JISの目的とは

鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進、その他生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図り、あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的としています。詳しくは「日本工業標準調査会(JISC)工業標準化について」をご覧ください。

 

JIS制定の意義

自由に放置すれば、多様化、複雑化、無秩序化してしまう「もの」や「事柄」について、以下の(1)〜(5)等のそれぞれの観点から技術文書として国レベルの「規格」を制定し、これを全国的に「統一」又は「単純化」すること。

  1. (1)経済・社会活動の利便性の確保(互換性の確保等)
  2. (2)生産の効率化(品種削減を通じての量産化等)
  3. (3)公正性を確保(消費者の利益の確保,取引の単純化等)
  4. (4)技術進歩の促進(新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等)
  5. (5)安全や健康の保持,環境の保全

 

JIS以外の標準規格は?

JIS以外の日本の国家標準としては、薬の規格を決めた日本薬局法、農業製品の規格を決めた日本農林規格(Japanese Agricultural Standard=JAS)があります。

 

ISOとは

ISOとは国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう、International Organization for Standardization)のことで、ISOで制定された国際標準(世界共通)の工業規格のことをここでは指しています。

組織としてのISOは、電気分野を除く工業分野の国際的な標準である国際規格を策定するための民間の非政府組織で、本部はスイスのジュネーヴです。スイス民法による非営利法人になります。 各国から1機関が参加でき日本からは日本工業標準調査会 (JISC) が1952年から加盟しています。

電気分野については、国際電気標準会議 (IEC) によって策定されています。

略称が英文名称の頭文字語「IOS」ではなく「ISO」になっているのは、ギリシャ語で「平等」を意味する「isos」という言葉が起源のためです。

 

ISOの目的とは

ISOは、物質及びサービスの国際交換を容易にし、知的、科学的、技術的及び経済的活動分野の協力を助長させるために世界的な標準化及びその関連活動の発展開発を図ること」を目的にしています。

JISが製造業者のための規格、という背景に対して、ISOは消費者の立場に立った規格と言われています。

 

ISOの歴史

ISOの歴史は、長さ(m)重量(kg)の国際単位を定めた1875年のメートル条約に起源があります。
その後、国際電気標準会議(IEC)、万国規格統一協会(ISA)を経て、1947年に国際標準化機構(ISO)が設立されました。

  • 1875年:メートル条約が17ヶ国の署名で成立
  • 1906年:国際電気標準会議(IEC)*現在はISOの電気分野を担当
  • 1928年:万国規格統一協会(ISA)*ISOの前身になる組織
  • 1947年:国際標準化機構(ISO)設立
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